免疫療法の研究で,著者らは,白血病または固形癌に対するウィルスムス腫瘍遺伝子1(WT1)ワクチンに対するレスポンダーとノンレスポンダーの違いを調べようとしました。クラスタリング及び主成分分析(PCA)は,WT1ワクチン接種前にレスポンダーと非レスポンダーを区別できませんでしたが,これらの分析により,WT1特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)のエフェクタメモリ(EM)サブセットは,”活性化”状態と”静止”状態の2つのグループに分類できることが明らかになりました。更に,WT1ワクチン接種後に,CTLのEMサブセットが,レスポンダーでは”静止”状態に,非レスポンダーでは”活性化”状態に移行しました。この発見により,将来の先進的遺伝子発現プロファイル分析を使用して,WT1ワクチン接種前にレスポンダーと非レスポンダーを明確に区別する手がかりを得られるかもしれません。
参考文献:
- Nakae Y, et al. (2015) Two distinct effector memory cell populations of WT1 (Wilms’ tumor gene 1)-specific cytotoxic T lymphocytes in acute myeloid leukemia patients. Cancer Immunol Immunother. 64(7):791-804. [PubMed:25835542]